慢性腎臓病とは

慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)とは、腎臓の機能が低下した状態、または尿の異常が3か月以上継続している状態の総称です。
具体的には
①尿タンパク・血尿などの尿異常、画像異常、血液異常、病理異常のいずれかがある
②eGFR(推定糸球体濾過量)が60mL/分/1.73㎡未満
このいずれかまたは両方が3か月以上続く場合にCKDと診断されます。腎臓は、血液中の老廃物を尿として排出する・血圧を調整する・赤血球の産生を助けるホルモンを分泌する・骨の形成に必要なビタミンDを活性化するなど、体の中で多くの重要な役割を担っています。腎臓の恐ろしさは、一度機能が低下すると元に戻りにくいという点です。だからこそ、早期発見・早期介入が非常に重要な病気です。CKDの重症度は、eGFR値と尿タンパクの量を組み合わせて評価します。eGFR値は6段階(G1〜G5)に分類され、G3a(45〜59)以下になると腎機能低下として管理が必要になります。また、尿タンパクの程度によっても重症度が変わるため、eGFR値が正常でも尿タンパクがある場合は注意が必要です。
慢性腎臓病が増えている背景

慢性腎臓病は今や日本において非常に身近な病気のひとつです。2005年には約1330万人(成人8人に1人)だったCKD該当者数は、2023年には約2000万人(成人5人に1人)にまで増加しており、約1.5倍に拡大しています。これは、糖尿病の予備軍を含む人口とほぼ同規模であり、いかに多くの方がCKDのリスクを抱えているかがわかります。CKDが増加している主な背景は、生活習慣病の増加と高齢化です。高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満などの生活習慣病は、腎臓の細い血管や糸球体に持続的なダメージを与え、慢性腎臓病へと進行させる主要な原因となっています。また、運動不足・不規則な食生活・ストレスといった現代的な生活習慣もCKDの発症に深く関与しています。当院では、「透析にならないための医療を提供したい、透析患者様を減らす」というビジョンを持って診療に取り組んでいます。CKDの増加という社会課題に向き合いながら、CKDの予防と進行抑制に取り組んでいます。
当院で行う検査・管理
当院では、慢性腎臓病の状態を正確に把握するために、複数の検査を組み合わせて評価しています。
「健診で異常を指摘されたが、どこまで調べてもらえばいいかわからない」という方も、当院では必要な検査を院長が判断し、丁寧に対応します。
尿検査(尿タンパク定量検査)
一般的な健診で行われる「定性検査(+・2+などの表示)」よりも精密な「定量検査」を実施し、尿タンパクが実際にどれくらい出ているかを数値で確認します。定性検査では見落とされてしまう異常を早期に発見できる場合があり、CKDの重症度評価にも重要な検査です。
血液検査(クレアチニン・eGFR・シスタチンC)
腎機能の評価に欠かせないクレアチニン値とeGFRに加え、筋肉量の影響を受けにくい「シスタチンC」も必要に応じて測定します。また、過去の検査結果と比較することで、eGFRの経年変化や急激な低下がないかを確認します。数値そのものだけでなく、時間の流れの中での変化を見ることが、腎機能管理において非常に重要です。
画像検査(エコー・CT)
超音波(エコー)検査で腎臓の大きさ・形・構造を確認し、腫瘤や嚢胞の有無なども評価します。エコーで判断が難しい場合は、院内のCT装置で詳細な評価を行います。
定期的なフォローアップ
CKDの管理は一度の検査で終わるものではありません。定期的な受診と検査を続けることで、腎機能の変化を継続的に把握し、栄養・運動・薬物療法を組み合わせながら腎機能の低下速度を抑えることを目指します。必要に応じて高次医療機関とも連携し、患者様に最適な医療を提供します。
透析を防ぐための予防
CKDの最大の目標は、透析が必要な末期腎不全への進行を防ぐことです。
そのためには、生活習慣の改善と生活習慣病の管理が根本となります。
特定健診の活用
早期発見のためには、定期的な健診が欠かせません。当院では特定健診を実施しており、腎臓専門医によるエコー検査も併せて行っています。健診で尿タンパク・血尿・eGFRの異常を指摘された方は、放置せず早めに当院までご相談ください。
生活習慣病の管理
高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病を適切にコントロールすることが、腎臓へのダメージを防ぐための最も重要な取り組みです。血圧管理においては、尿タンパクの有無によって目標値が異なるため、腎臓専門医のもとで個別に管理することが大切です。
食事・運動・生活習慣の見直し
減塩を心がけ、過剰なタンパク質摂取を避けた食事を続けることが、腎臓への負担軽減につながります。また、適度な運動は生活習慣病の予防・改善に効果的であり、CKDの進行抑制にも役立つことが知られています。当院のヘルスケア外来では、栄養・運動の両面から個別サポートを行っており、CKDの管理と予防を生活全体から支えます。
早期相談が重要

慢性腎臓病は、初期にはほとんど自覚症状がありません。むくみ・倦怠感・尿の泡立ちなどの症状が現れた頃には、腎機能がすでにかなり低下しているケースも少なくありません。以下に該当する方は、早めの受診をおすすめします。
- 健診でeGFR値が60未満と指摘された
- 尿タンパク・尿潜血の陽性を指摘された
- 数年前と比べてeGFR値が急激に低下している
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症がある
- 家族に腎臓病や透析を受けている方がいる
- むくみ・疲れやすさ・尿の泡立ちが気になる
腎臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、症状がないまま進行します。また放置して長時間経過すると腎臓は回復することができません。早い段階から専門医のもとで管理を続けることで、腎機能の低下速度を抑え、透析導入を遅らせたり防いだりできる可能性があります。気になることがあれば、一人で抱え込まずに当院へお越しください。
佐世保市大塔町で慢性腎臓病外来をお探しの方へ

佐世保市大塔町のみらいの葉クリニックは、腎臓専門医・指導医による慢性腎臓病外来を行っています。「健診でeGFRや尿タンパクの異常を指摘された」「慢性腎臓病と言われたがどう管理すればいいかわからない」「透析にならないために今できることを知りたい」という方も、ぜひ当院へお越しください。特定健診・ヘルスケア外来・生活習慣病の管理を連携させながら、患者様の腎臓を長く守るためのサポートを行います。早期発見・早期介入が、健康寿命を延ばすことに直結します。当院が、患者様の「ずっと寄り添う安心のパートナー」として長期的にサポートします。
